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2011年6月13日 (月)

黒部川の電源開発  水力発電に期待されたもの

黒部川の電源開発は大阪都市圏への安定した電源供給が目的で始まっています。

黒部川に有る関西電力の発電所は、黒部川扇状地の扇央である愛本から上流に在ります。愛本から上流の黒部川は急峻な地形と急勾配の河床であることから、自然取水による発電も、ダムによる発電にも適しています。
現在、関西電力では愛本から上流に10個の発電所を管理していますが、もともとは戦前にあった日本電力株式会社が大正12年から開発を進めてきた発電所も引き継いでいます。
水力発電は、電気供給の発電施設として作られていますが、電力需要の増加に伴い、役割が変化しています。

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これは、電力事業協会が示している1日の需要変化に対応した電源の組み合わせです。
図の下層から流れ込み式水力発電(河川の流れをそのまま使用している発電)、原子力発電、火力発電があり、その上に揚水式、貯水池式、調整池式の3つの水力発電が乗っかっています。
赤色の線が電力消費量を示している線です。
これは、現在のグラフですが、大正から高度成長期に至る前には、社会の電化が進み、このグラフで言うと、全体的に消費需要が少なく、昼間のピークが低い状態だったのではと創造できます。
このとき、ほとんどの電力は水力発電でまかなわれていました、需要増に答えるために、火力発電(当然原子力は在りません)を導入する必要があったのですが、燃料を燃やして蒸気タービンを回転させるために出力調整が難しい火力式発電が突出して多くなると、1日の供給バランスが悪くなります。
そのための、ピーク調整のために、ダムによる貯水池式の水力発電が求められました。グラフでいうと一番上の青いところです。「黒部の太陽(ドラマでしたが)」を良く見ると、この辺の背景が良く本社内の会議で議論されています。

変わって今は、火力発電が主たる発電方式で、原子力が3割程度となっています。
上の図を見ると火力でも日中の需要変化に対応できているようですね。

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今後、原子力を縮小することを目標とするならば、この量の電力を他の代替エネルギーで補うか、消費量自体を減らす必要が在ります。
水力発電の増加は、環境を考えれば、これ以上の開発は困難でしょうね。

原子力に変わるエネルギーとして求められるのは、安定して供給可能なエネルギー源です。
「全国すべての家庭にソーラー発電を」と思いつきで言えるあの人は、理系大学の出身とは思えません。
電気は貯めておくことが難しいエネルギーですから、バッテリーに蓄電するだけでなく、他の物質に変えて保存する方法をとるとか、発想を変えた対応が必要なのでは。
揚水式発電方式などは実現できた一つの例ですね。

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コメント

震災以来エネルギーについて考えています。また私は能登半島に昨年市民ファンドを募って風力発電機をたてたこともあり、自然エネルギーには関心があります。
黒部の開発、なるほどと思いながら読みました。
私たち国民は2つのものがないと生きていけません、つまり、食料とエネルギー。
国を将来を大きく左右するエネルギー問題。政治の場に国民の声を届け続けたいです。

投稿: Repu | 2011年6月24日 (金) 21時19分

エネルギー問題は、国の経済、文化レベルを左右しますね。
日本はエネルギーを97%輸入に頼っているので、核燃料リサイクルが実現できれば理想だったんですがね。
今回の原発事故については、はっきりとしたコメントはしづらいですが、効率のよいエネルギー源はリスクも高かったということでしょうか。
気仙沼港では瓦礫の分別を進めています。
木材チップを作り、他の用途に利用しようとしているようですが、塩分を含んだ木材の有効活用が課題となっています。
燃料とできれば温暖化防止にも貢献できますね。

投稿: Nekton | 2011年6月27日 (月) 20時44分

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