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2009年7月 8日 (水)

「高熱隧道 」について

先日、黒部ダム建設の記録である、「黒部の太陽」がテレビドラマ化されました。
映画作品は、テレビ画面では本来のスケールが理解できないとのことで、石原裕次郎が主演した同名映画はテレビで放映されていません。(私も見ていません)

この小説「高熱隧道 」は、この映画のトンネルである扇沢から黒部ダムへのアクセストンネルではなく、映画の中では過去の話題となる、欅平より黒部川第3発電所への連絡トンネル建設の物語です。
原作(吉村昭氏)を読むと、電源開発に対する関西電力(旧日本電力)技術者の使命と工事を請け負った業者との軋轢がよくわかります。小説の最後には関電の技術者は逃げるように現場去っています。
今回のテレビドラマの中でも、大町工区 を請け負った香取くんの母親が父親の経験を元に黒部だけには行くなと言っていた意味が良くわかります。
私も、大学院生の時に高熱隧道 を訪れる機会がありましたが、いまだに抗道の表面に硫黄が付着しており、孔内の温度が高いことに驚かされました。
このトンネルは、現在関西電力が見学コースとして公開しています。
非常に選抜倍率が高いのですが、富山県のホームページから応募できます。
原作を紹介しておきます。

高熱隧道 (新潮文庫)

      

買ったきっかけ:
土木コースの大学に進んだのをきっかけに読みました。

感想:
公共事業(電力)の必要性と、その影での技術者、施工者の努力が解ります。電気(電灯)は、スイッチをつければ点灯するだけのものではないのです。そのために人間が何をしてきたかを知っていただきたい。

おすすめポイント:
エコ活動を意識している方々には必ず読んでいただきたいと思う小説です。
現在の生活水準を維持するインフラ整備の基本はここにもあると思います。CO2の減量を目指すためにもこれまで人間がどのような活動により生活レベル向上をしてきたのかを知るきっかけになるのではないでしょうか。また、水力発電のあり方(ダムを作ることなどによる影響)や、今私たちが暮らしている生活レベルの維持に対する先人の苦労も考えて読んでみたらどうでしょうか。

高熱隧道 (新潮文庫)

著者:吉村 昭

高熱隧道 (新潮文庫)

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コメント

この本は去年読んで感激して、私もブログに書きました!
http://blog.goo.ne.jp/repu/e/3152f0a7b75c6adc76d26d7961f3bafb
そして高熱隧道を見たい一心で、秋に「下の廊下」を歩きに行きました!
こんな感じでした。
http://blog.goo.ne.jp/repu/e/c578e4bc141d93410c79d885c1015d9f

膝のリハビリ中だったので3日間かけて歩いたけれど、感激の時間だったよ。

本当にこの本はいいね~。また読み返したくなったワ。

投稿: Repu | 2009年7月10日 (金) 22時29分

Repuさん
下の廊下からトンネルに入ったんですね。
時々、写真を見ますが、桟道とはしごの連続ですか?、リハビリとはとても思えんのだが。
この道を、資材を持って行き来していたとは、想像を絶する難工事だったのは想像できますね。ここでは、なだれ被害も多く、なだれのメカニズムも研究されたようです。

投稿: Nekton | 2009年7月11日 (土) 08時38分

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